架空の国、カナダ。夫を亡くして、3年のダイアン。
彼女の15歳になる息子スティーブはADHDという障害をもっており、施設に入っていたが、食堂に放火し、退去を余儀なくされる。
再び一緒に暮らし始めるダイアンとスティーブ。ダイアンは感情をうまくコントロールできないスティーブの衝動的な行動に頭を悩ませていた。
そんな中、向かいに住む主婦、カイラとの交流が始まる。
そんな3人の背景には、2015年新政権発足により、議論を呼びつつも可決した「S-14法案」があった。

ADHDという障害を耳にするようになったのは、ここ数年でしょうか。
スティーブという人物の障害に対して、とてもリアルに描かれていたのではないかなと思う。

理解されない母子の苦しみがチクチクと、ずっと胸を刺してくる139分。
そして、1対1という正方形から観る映像は、無駄な部分が映らず、キャラクターと物語に集中できるが、それゆえ逃げ場がなく、常にものすごい「緊張感」を持ちながら見入ってしまった。
その緊張感の理由が、この画面の構成なのだと、わかったのは物語後半でその瞬間は鳥肌が経った。この監督恐るべし。
また同時に、グザヴィエ・ドランと同じ時代を生きていることをものすごく幸運なことだとも思った。
劇場で観なかったことをとても後悔している。

その「正方形」の映像に映し出される、たくさんの「長方形」の「窓」がとても印象的だった。

オアシスの曲が印象的だという人が多数のようですが、私は物語の初めでDidoが流れていたのがとても印象的で、そこからすでにのめり込んでしまっていた。

ダイアンとスティーブの物語ではなく、もう一方。

ダイアンとカイラ物語。
これを観た人はどう感じたのかな。