気が強く男勝りなアルマは、家族との折り合いは悪いものの、オリーブ農園を営んでいる祖父とは幼い頃から深い絆で結ばれていたが、その祖父はずいぶん前から喋ることをやめてしまった。


その原因は、祖父とアルマが大切にしていた樹齢2000年のオリーブの樹を農園の経営難から息子(アルマの父)たちが反対を押し切り売ってしまったからだと考えたアルマ
は、祖父を救う唯一の方法は、そのオリーブの樹を取り戻すことなのでは?と思うようになり、彼女に想いを寄せる同僚のラファと明るく変わり者の叔父を丸め込み、その「オリーブの樹」を探す無謀な旅に出る。


脚本は名匠ケン・ローチ監督と組むことが多いポール・ラヴァーティ。
春頃公開したケン・ローチの「わたしはダニエルブレイク」も彼女の脚本。

正直、この「オリーブの樹は呼んでいる」のほうが断然好きだ。

イタリアというと陽気なイメージなのですが、約8年間ほど不況に悩まされるイタリアの現状はこの映画の出来事は作り話ではなく、実際曲本科のポール・ラヴァーティはこの話の核である「樹齢2000年のオリーブの樹の売買」の新聞記事を読みショックを受けたのが製作の始まりだったらしい。

私の子供の頃にはサラダ油一辺倒だった家庭用油も、もうだいぶ前からオリーブオイルが氾濫しているので、当たり前になっているが2000年もの樹齢があるとは全く知らなかった。

少し前から、高級なオリーブオイルを近所で見かけることも多くなってきたけど、本来であればこの値段が妥当なのではないかなと映画を観ながら思っていた。

物語はよくある「家族の再生」が軸ではあるが、「イタリアの不況」と「オリーブ」というぶれないテーマがありとても面白く興味深かった。

またアルマは家族に対して決定的な溝があり、その背景も原因も切なく辛い。



特にアルマの泣きの演技は演技と思えないほど素晴らしく、実は3度ほどつられて泣いてしまった。



アルマがオリーブ農園をバイクで走るシーンは、とてもかっこよく農園の広大さが伝わる。
女性が乗るバイクシーンの中でも結構好きかもしれない。